雑学研究

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ラテン文学

A.D.14 〜190

銀時代(初期帝政時代)
ガイユス・ウェレイユス・パテルクルス Gaius Velleius Paterculus (36B.C.-A.D.31)
 ローマ創始時代からの歴史を『歴史』Historia 2巻にまとめた。

ワレリウス・マクシムス Valerius Maximus (生没年不詳A.D.)
 弁論家用の『著名言行録』Facta et Dicta Memorabilia 9巻を残した。

ルキウス・アンナエウス・セネカ Lucius Annaeus Seneca (A.D.3-65)
 同名の父と区別して「哲学者のセネカ」と呼ばれる。
 実践道徳を説いた『対話』Dialogi 12巻には、 『怒りについて』De Ira、『幸福なる生活について』De Vita Beata、 『人生の短さについて』De Brevitateが含まれる。 自然学的な面からストア派の考えを説いた『自然研究』Naturales Quaestiones 7巻では 地水風火の四元素から自然現象を説明している。

クィントゥス・クルティウス・ルーフス Quintus Curtius Rufus (生没年不詳)
 セネカの影響を受け、『アレクサンドロス大帝事蹟』De Rebus Gestis Alexandri Magni 10巻を書いた。

マルクス・アンナエウス・ルカヌス Marcus Annaeus Lucanus (A.D.39-65)
 哲学者セネカの甥。カエサルとポンペイユの抗争を歌った叙事詩『内乱記』De Bello Civili 10巻以外は数篇の題名と断片しか現存しない。

アウルス・ペルシウス・フラックス Aulus Persius Flaccus (A.D.34-62)
 心労を諷刺した『サトゥラエ』Saturaeを難解なラテン韻文で書いた。

ガイユス・プリニウス・セクンドゥス Gaius Plinius Secundus (A.D.23-79)
 後のプリニウスと区別して大プリニウスと呼ばれる。
 宇宙論、医薬、動植物、鉱物などの百科全書の『博物誌』Naturales Historiae 37巻を書いた。

マルクス・ファビウス・クィンティリアーヌス Marcus Fabius Quintilianus (A.D.35-95)
 ローマ弁論術学の集大成である『弁論術教程』Instituo Oratoria 12巻が現存する。

ガイユス・ワレリウス・フラックス Gaius Valerius Flaccus (生没年不明A.D.)
 黄金の羊毛を取りに行ったイアーソンと彼に恋したメーデイアの神話をテーマにした叙事詩『アルゴナウティカ』Argonautica 8巻を書いた。

プブリウス・パピニウス・スタティウス Publius Papinius Statius (A.D.40-96)
 叙事詩『テバイス』Thebais 12巻、叙事詩『アキレス』Achilleis、雑詠の『シルワエ』Silvae 5巻が現存する。

マルクス・ワレリウス・マルティアリス Marcus Valerius Martialis (A.D.40-104)
 コロッセウム(大円形劇場)でのスペクタルを描いた『競技場風景』Liber Spectaculorum、 風俗の諷刺詩集の『エピグランマタ』Epigrammanta 12巻があり、 後者はローマ風俗史を理解する上で価値がある。

セクストゥス・ユーニウス・フロンティニス Sextus Iunius Frontinus (A.D.40-103)
 『戦略』Strategemeta 4巻、『水道について』De Aquisというローマの水道の歴史と構造を述べた書を残した。

プブリウス・コルネリウス・タキトゥス Publius Cornelius Tacitus (A.D.55-117)
 自然と孤独を愛する理想主義者・現実家肌の雄弁家・ 古きローマを愛する厳格主義者が当時の弁論術の堕落の原因を論じた『弁論家についての対話』Dialogus de Oratoribus、 ブリタニアン総督になったグナエウス・ユリウス・アグリコラの伝記『アグリコラ』Agricola、 ドイツの地理・風俗・民族を記述した『ゲルマニア』Germaniaなどがある。
 また、ラテン散文の傑作として、 ネロの死からドミティアヌスの死まで(A.D.69-96)のローマ史を描いた『歴史』Historiae 12巻、 アウグストゥスからネロの死まで(A.D.15-69)を描いた『年代記』Annales 16巻がある。

デキムス・ユニウス・ユウェナリス Decimus Iunaius Iuvenalis (A.D.65-140)
 社会の悪徳や女性への不信を諷刺した『サトゥラエ』Saturae 16篇を描いた。

ガイユス・プリニウス・カエキリウス・セクンドゥス Gaius Plinius Caecilius Secundus (A.D.61-112)
 前のプリニウスと区別して小プリニウスと呼ばれる。大プリニウスの甥で養子となった。
 トライヤヌス礼讃演説の『頌辞』Panegyricus、 私信247篇とトライヤヌス帝との公務上の往復書簡122篇の『書簡集』Epistulae 10巻が現存する。

ガイユス・スウェトニウス・トランクウィッスル Gaius Suetonius Tranquillus (A.D.70-160)
 古事と自然学に関する百科全書的な『雑録』Parta、 カエサルからドミティアヌスまでの歴代の皇帝の伝記の『十二皇帝伝』Vitae Duodecim Caesarum、 愉快な逸話が挿入されている『名士伝』De Viris Illustribusがある。

アウルス・ゲッリウス Aulus Gellius (A.D.117-180)
 ギリシア・ラテンの文学・歴史・哲学・言語方面の本の挿話・感想・注釈を綴った『アッティカ夜話』Noctes Atticae 20巻を書いた。

ルキウス・アウルス・アプレイユス Lucius Aulus Apuleius (生没年不詳)
 ルキウスという青年がロバに変身し、女神イシスの信仰によって人間に戻る変身物語の『黄金のロバ』は、 ラテン文学史上もっとも有名な小説だとされる。

マルクス・コルネリウス・フロント Marcus Cornelius Fronto (生没年不詳)
 文学・弁論をテーマにした作品やセネカ論を書いたが、 迫害を耐えたキリスト教がローマ文化を変容させ、 キリスト教に染まらないローマ的な文人は絶えた。