雑学研究

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小倉百人一首

61 〜 80
  • いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな(伊勢大輔)
     その昔の奈良の都に咲き誇った八重桜は、今日、一重を増さんばかり一段と美しく、この平安宮中で、めでたくも冴え冴えと見事に咲き誇っています

  • 夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ(清少納言)
     夜の明けぬうちに鶏の鳴き真似をして人を騙して関を渡ろうとしても(中国の函谷関では番人が騙された)、男女が相逢うという名のこの逢坂の関は決してあなたを通すことはありません

  • 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな(右京大夫道雅)
     今となっては、ただ「あきらめよう」という言葉だけを人づてに伝えてもらうのではなく、直接会ってあの人に伝えたい。そういう方法はないものだろうか

  • 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木(権中納言定頼)
     ほのぼのと夜が明けていく頃、宇治の川面にたちこめていた川霧が途切れ途切れに晴れていき、段々にその切れ間から川のあちらこちらの浅瀬に並ぶ網代の杭が見えてきました

  • 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ(相模)
     薄情なあの人を恨み悲しんで涙に暮れて乾く暇もない袖が、朽ちてしまうだけでも耐えられないのに、つまらない噂に私の名前まで朽ち果てるなんて口惜しくてなりません

  • もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし(前大僧正行尊)
     私がおまえを懐かしく思うのと同じく、おまえも私をしみじみ懐かしく思ってくれ、山桜よ。こんな山奥にいる今、花であるおまえ以外に私は知る人もいないのだ

  • 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ(周防内侍)
     短い春の夜の夢を見るくらいのほんのわずかな時間、たわむれの手枕を借りたばかりに、その甲斐もなく、浮名が立つのは残念でございます

  • 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな(三条院)
     不本意ながら、このつらいことの多い世の中に生き長らえたならば、きっとしみじみと思い出すに違いない今宵の月だなあ

  • 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり(能因法師)
     嵐が吹き、三室の山の紅葉をしきりに散らしている。その紅葉が竜田川に一面に浮いている様子は、まるで錦のように美しいものです

  • さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ(良暹法師)
     あまりの寂しさに耐えかねて、庵を出てあたりをじっと見つめて見ると、どこも同じように寂しい秋の夕暮れです

  • 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 盧のまろ屋に 秋風ぞ吹く(大納言経信)
     夕方になると家の前の黄金の稲の葉にさらさらと音を立てて、それから藁葺きの粗末な小屋にも秋風が寂しく吹きわたっています

  • 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れもこそすれ(祐子内親王家紀伊)
     噂に高い高師の浜のいたずらに立つ波にはかからないようにしましょう。袖が濡れると大変です。浮気者で名高いあなたのお言葉は心にかけまいと思います。後で袖が涙で濡れるといけませんから

  • 高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
     高い山の峰の桜がとても美しく咲いています。近い山の霞は、(花が見えなくなるので)どうか立たないで欲しいものです

  • 憂かりける 人をはつせの 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを(源俊頼朝臣)
     私につれなかったあの人の愛情を得ようと初瀬の観音に祈ったが、初瀬の山おろしよ、おまえのように激しくなれ(私に辛くあたる)とは祈らなかったのに

  • 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり(藤原基俊)
     あなたが「私を頼みに思っていよ」と約束して下さりましたその恵の梅雨のような言葉を命としてまいりましたが、今年の秋も虚しく去ってしまうようです

  • わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波(法性寺入道前関白太政大臣)
     広々とした海上へ船を漕ぎ出して見渡すと、はるか遠くでは白い雲と見分けのつかぬように立っている沖の白波よ

  • 瀬をはやみ 岩にせかかる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ(祟徳院)
     川の瀬の流れが早いので岩にせき止められて二つに分かれる急流も、やがてまた一つに合流するように、今はあなたとの仲を裂かれても、いつかは必ず逢おうと心に決めているのです

  • 淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜寝ざめぬ 須磨の関守(源兼昌)
     淡路島から海を越えて渡ってくる千鳥の物悲しい鳴き声に、いく夜、目を覚ましたことだろうか、1人寂しく暮らす須磨の関所の番人は

  • 秋風に たなびく雲の 絶えまより もれ出づる月の 影のさやけさ(左京大夫顕輔)
     秋風に吹かれてたなびいている雲の切れ間から漏れて差し出ている月光の何と明るくも清らかであることよ

  • 長からむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ(侍腎門院堀川)
     あなたの愛情が長続きするかどうか、私にはわかりません。長い黒髪が乱れているように心も千々に乱れて、あなたにお会いした後の今朝、物思いに沈んでいるのですよ

  • 1〜2021〜4041〜60・ 61〜80・ 81〜100