雑学研究

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諸宗教


ユダヤ教ヒンドゥー教シク教ジャイナ教ゾロアスター教儒教神道道教
ユダヤ教
聖典

1 律法(トーラー)
  「創世記」、「出エジプト記」、「レビ記」、「民数記」、「申命記」
   J(ヤハゥエ資料)、E(エロヒーム資料)、D、P(祭司資料)から成立
2 預言者(ネビーイーム)
   前期:ヨシュア記、士師記、サムエル記、列王記
   後期:イザヤ、エレミヤ、エゼキエル、十二小預言者
3 諸書(ケトゥヴィーム)
   詩編、箴言、ヨブ記、ダニエル記、エズラ記、ネヘミヤ記、歴代誌

教義

1 神と人
   契約関係
    恩恵を得るには契約の遵守
   =理性に従い、正義と公正を求め、正しく行動する
2 十戒
 @私の他に何者をも神としてはならない
 Aどんな偶像も拝してはならない
 Bみだりに神の名を唱えてはならない
 C安息日を覚え、聖とせよ
 Dあなたの父と母を敬え
 E人を殺してはならない
 F姦淫してはならない
 G盗んではならない
 H偽りの証言をしてはならない
 I隣人の家をむさぼってはならない

祭りと習慣

1 祭り
 @新年祭(ロシュ・ハシャーナー):ティシュレ月1日
  罪過からの解放を目的とする
 A贖罪日(ヨム・キップール):ティシュレ月10日
  夜間の断食と内省、罪過の転嫁
 B仮庵の祭り(スッコート):ティシュレ月15〜22日
  収穫の感謝、エジプトに小屋を建てた記念
 Cプリム祭
  ユダヤ人を虐殺から救ったエステルを記念
 D過ぎ越しの祭り(ペサハ)
  満月を祝う祭典、エジプトからの解放を記念
 E宮潔め祭(ハヌカ)
  奉納の祭り、8日間蝋燭を灯す
 F律法の祭り(スィムハット・トーラー):ティシュレ月23日
2 習慣
 @割礼
   生後8日目に行う
 A戒律の子(バル・ミツバ)
   宗教的・法的に成熟した13歳の少年に付与
 Bメズザー
   戸口の右側に羊皮紙の巻物を入れる
   申命記6章4〜9節、11章13〜21節が記されている
 Cヤムルカ
   忠誠の印として男性が小さな帽子をかぶる
   女性は頭覆いかかつらを着用

ヒンドゥー教
背景

1 インダス文明
   バラモン教
    ブラフマン(梵天)とアートマン(我)の合一を説く
   インドの俗信・伝承
2 ヒンドゥー教の起源
   紀元前1500年インド・ヨーロッパ系の遊牧戦士民族アーリア人が
   インダス川流域の農耕民を制服

聖典

1 ヴェーダ
 @『リグ・ヴェーダ』:神々への奉納・祈願を司る祭官が用いる讃歌
 A『サーマ・ヴェーダ』:讃歌の補助祭官が用いる讃歌内容
 B『ヤジュル・ヴェーダ』:儀式の補助祭官が用いる供儀の式文
 C『アタルヴァ・ヴェーダ』:祭官の活動を監督する補助祭官の詩句
2 ブラフーマナ
   儀礼の解説書、祭儀書
 @生物学的用語による宇宙創世説
 A自己の再創造による個我の獲得
3 ウパニシャッド(教師のそばの座席)
   師による精神的指導書
   行為の結果が霊魂の受肉の循環(輪廻)に還元
   幻惑の原因は存在論的無知であり、叡智によって解放される

理念

1 ダルシャナ(見解)
 @ミーマンサー
 Aヴェーダンタ
 Bニヤーヤ:論理学
 Cヴァイシェーシカ:原子論的宇宙論
 Dサーンキヤ:流出論的哲学
   可視界は、諸原理の下降により成立した幻想
 Eヨーガ:諸原理へ上昇するための技術の集大成
2 カースト
 @4つの階層
  僧侶(バラモン)、戦士(クシャトリア)、商人(ヴァイシャ)、隷属民(スードラ)
 A人生の4段階
  学生期、家長期、林棲期、遊行期
 B目的の四区分
  財物(アルタ)、性愛(カーマ)、法(ダルマ)、解脱(モークシャ)

シク教
1 開祖ナーナク(1469-1538)
   ヒンドゥ教とイスラム教の調和を希求
   偶像崇拝と苦行を否定
   世俗生活の肯定
2 教義
   一神教、神との脱我的合一、万民平等
   輪廻(再受肉)、涅槃(輪廻の循環の停止)

ジャイナ教
1 開祖マハービーラ
   禁欲主義により英知を獲得
2 教義
   精神(生命)と物質(非生命)の二元論
   生命:上昇性、一切知、幸福
   非生命:下降性、業の原因
    法(運動)、非法(静止)、虚空、物質
   解脱:正見、正知、正行を守り、道徳的に生き、業を消散
   3 五戒
 @不殺生(微生物を含む)
 A不妄語(虚言)
 B不盗(窃盗)
 C不淫
 D無所有:ものに執着しない
4 教団
   白衣派:尊像礼拝、女性の解脱
   空衣派:寺院建築、彫刻、膨大な文献

ゾロアスター教
背景

  古代ペルシア:BC525年成立
  太陽神:ミトラ――審判の神
  火と麻薬を使用

ゾロアスター

1 ゾロアスター:BC7〜6C
   アフラ・マズダの啓示を受け、預言者となる
   古代ペルシアの宗教が基盤
   動物の供犠の否定
2 アベスタ
   ゾロアスターの教義と伝承をまとめた教典
   内容:供犠、頌歌、清浄の規定、祭式、祈祷
3 教理
 @善悪二元論
   最高神:アフラ・マズダ
   暗黒神:アングラ・マイニュ
 A人間の自由意思
   善悪の選択は各人の選択

儒教
儒教

1 孔子(孔丘)
   紀元前6C半 山東省に生まれる
   事物の理を弟子に教育する
2 四書六経
   『大学』:君子の教養の基礎
   『中庸』:節度を守り、本性を陶冶することに関する論説
   『論語』:孔子の言辞の集成
   『孟子』:孟子の著述、言辞の集成
   『易経』(変化の書):陰陽を巡る占い書
   『詩経』(詩歌の書):前1000〜600年の日常生活を描写
   『書経』(歴史の書):17世紀にわたる歴史
   『礼記』(儀礼の書):儀式や儀礼の規則集
   『春秋』(年代記):魯の前721〜478年の歴史
   『楽経』(音楽の書):始皇帝の焚書で消滅

教義

1 宗教性の賛否
 @信仰の非神話化
   神ではなく、普遍的な原理を正当化
 A個人の救済に無関与
   個人と社会の中道を模索
 B祭司ではなく、文官が祭儀を行う
    神を信仰の対象としない
2 内容
   礼=敬天思想を基調とする政治的・社会的規範
   仁=普遍的道徳感情の愛情を基礎とする人格
    忠(まごころ)と恕(思いやり)を実現経路とする
3 社会観
   教育の情:父性的な愛
   尊敬の情:子としての孝心

思想

1 孟子(BC372-289)
   性善説
    人は良知良能(先天的な心の作用)により、四端(徳への可能性)を有する
     仁:惻隠(同情心) 人の心
     義:羞悪(正義心) 人の路
     礼:辞譲(謙遜の情)
     智:是非(善悪の判断力)
    規律や儀礼は内在的で、個人の意志を表現したもの
   五倫
    父子親、君臣義、夫婦別、長幼序、朋友信
2 荀子(BC315-236)
   性悪説:人は人為(偽)によって善となる
   強制的拘束である社会的規律(礼)によって秩序が維持される
3 朱子(1130-1200):朱子学
   二元論的宇宙観
    存在としての気、存在根拠・法則としての理
   性即理
    人間においては気が気質の性、理が本然の性
    理の自己実現を課題とする
    方法:格物致知・居敬窮理・主敬静坐など
4 王陽明(1472-1528):陽明学
   心即理:我が心に理がある
   致良知:人間に本来的に備わっている知
    これによって事物の理を求める
   知行同一:知は行の始、行は知の完成

神道
神道

1 語義
   神々の道
   神々=万物を守護する神々
   6世紀に仏教と区別するために命名
2 資料
   古事記(712年)
    稗田阿礼の知識を太安万侶が編纂
    天地創造から628年までの日本史の記述により天孫降臨を正当化
   日本書紀(720年)
    神々による国家創建、皇統確立
   延喜式(927年)
    古代祝詞を収録した上代神道の国家的儀礼
   神道五部書
    肉体の浄化→心の浄化→神との融合
    正直と祈りを強調
3 目的
   五穀豊穣、疫病除去、家内安全
4 性格
 @多神
 A人間は神聖で、人間と人間との関係が重要
 B強い共同体意識
 C自然に対する親近性
 D清浄感
 E現世中心
 F他界観念に乏しい
5 主要な年中行事
   正月、節分、雛祭り、端午の節句、月見、神嘗祭、新嘗祭、七五三

歴史

1 発生
 @農耕文化における自然の神々の崇敬
   神社:祭儀で一時的に高められた神々を恒常的に降臨させる
 A死霊に対する畏怖
   故人の恨みを解放し、慈悲深い存在へ高める
 B善悪
   善:共同体の和を促進する
   悪:和を妨げる
2 流れ
 古神道:外来思想の影響が少ない
 両部神道:仏主神従(本地垂迹) ――― 平安
 伊勢神道:神主仏従(反本地垂迹) ―― 鎌倉
 唯一神道:神・仏・儒の総合室町
 儒家神道:神儒の調和 ――――――― 江戸
 垂加神道:皇室崇拝
 復古神道:儒仏排斥・古神道復活
 教派神道:儒仏の混入 ――――――― 幕末
 神社神道:神仏分離 ―――――――― 明治
3 近代の神道
 @皇室
   =天皇家の神道
    太陽神である天照大神を国家神とし、天皇をその子孫とする
 A神社神道
   =神社を精神結合の中心に、氏子などの信仰者による組織を持つ
 B教派神道
   =19Cに形成された13派の神道教団
    個人の宗教体験をもとに庶民の間に形成された
 C民間神道
   =民間信仰の中で神道と特に関係が深いもの
  a.外来宗教の断片と習合したもの
  b.古代宗教の残留(呪術、民間療法)
  c.神道の下部構造(日待、こもり祭、浄めの習俗)

道教
1 神仙説
   真人:道と合一する境地に到達した人
      神通力、不老不死
2 歴史
   太平道:干吉が創始、治病
   五斗米道:張陵が創始、治病、公共施設
   新天師道:寇謙之が創始、教義・儀礼の整備
3 教義
 @不老不死の薬(服餌)
 A健康法(導引)
 B心身を浄める(調息)
4 錬金術
   不死の薬の製造
5 分類
 教団道教:易、陰陽、占星
 民衆道教:民間信仰、慣習、呪術的信仰、仙人崇拝、祈祷
  現世利益=子孫繁栄(福)、財宝(禄)、長寿(寿)